5月6日につくば市を襲った竜巻によって、筑波大でも停電が発生しました。
しかし、いざパワーを設置してある生命環境研究科のみは装置が正常に作動し、停電を免れました。
その時の状況について、筑波大学の白岩教授にインタビュー致しました。

 


 

 今回の竜巻被害に遭われたました皆様には心よりお見舞い申し上げます。

いざ!パワーを最初に要請され、最初に設置されたのは、筑波大学生命環境系(系長:白岩善博教授)です。生命環境系は職員や学生の安全を守る責任ある立場を日頃から憂慮しており、東日本大震災のときの停電で必ずしも適切な対応が行き届かなかった悔しさから、災害時対策の整備を積極的に進めています。
いざ!パワーは、最先端エネルギーシステムと防災・減災関連研究に実績のある筑波大学システム情報系の企画と設計により実現できたシステムで、筑波大学発の技術です。

平成24年5月6日(日)午後1時前頃つくば市を襲った竜巻により、筑波大学を含む広範囲(約2万世帯)な停電が長時間発生してしまいました。
いざパワーにとっては、初の活躍の機会になったはずです。当日の状況について白岩系長に聞いてみました。

①当日の先生の行動と“いざ!パワー”の利用状況についてお伺いします。

・竜巻による学内の停電発生について、直後に専攻長から連絡があり、生命環境系運営委員(専攻長、センター長等)、生命環境等エリア支援室など関係者に、停電発生をメールで通知しました。この時、既に大学学術情報メディアセンターのサーバーは停止していましたが、プロバイダーアドレス経由で一部の方には連絡することができました。
生物農林学系棟守衛室に電話連絡して状況を確認しました。その際、生命環境系長室(防災本部機能強化のために“いざ!パワー”を装備)が無停電対応になっていることを伝え、緊急連絡のための電源確保が必要な方に便宜を図るように依頼しました。その後、専攻長から、「系長室の無停電装置“いざ!パワー”を利用して、専攻各教員と学生の安否確認を行っている」旨の連絡がありました。
・大学本部防災センターに停電の復帰時間と大学の対応について問い合わせを行いました。自宅で必要な情報発信と情報交換をとりあえず終えてから大学に向かい、生命環境系長室に到着し、現場におられた専攻長と情報交換を始めました。
日没で暗くなってきたところで、室内灯、建物外の避難用の照明装置の自動点灯を確認しています。無停電装置でパソコンを起動し、インターネット上で市内の被災状況を調べました。
・その後、支援室関係者、研究室メンバーなどと情報交換をしつつ、数名の教員が系長室を訪れ、情報交換を行いました。
・停電による自動水洗トイレの停止に伴い、ポリタンクにトイレ用水を入れて系長室前の女子トイレに設置しました。
・午後8時55分頃、系統電源復帰となり、全停電が解消するに至りました。
・その後、系長室から各関係者に電源復帰を連絡し、生物農林学系棟を見廻り、火災発生等が無いか確認し、生農守衛室と情報交換の後に帰宅しました。

②大学は何時間くらい停電があったのでしょうか。

 約8時間(竜巻発生時から午後8時55分ごろまで)でした。大学周辺のコンビニや家屋の停電と比べて大変長い時間でしたが、これは、東京電力 から大学への高圧送電線の被害によるものであったと聞いています。

③3.11大震災を受けて先生の発案で導入された減災対応電源システム“いざ!パワー”の日頃の作動状況は如何でしょうか。

 非常に良く機能しています。何も操作する必要がないので、存在を忘れてしまうほどです。
それにも係わらず自然エネルギーである太陽光で照明が確保されているなど、環境にも貢献できていることが嬉しいですね。

④いざ!パワー導入後、災害停電対応動作は初めてかと思いますが、お役に立てたでしょうか。

 非常に役立ちました。今回は不幸中の幸いにも日曜日であったために、教職員、学生が少なく、大きな混乱はありませんでしたが、平日に大勢の人がいた場合の混乱を想像すると、本装置の稼働がいかに重要かを認識することが出来ました。悪天候が続いた場合でも、商用電力から必要に応じて補助蓄電が行われるので、「電源喪失」の心配が無いことが非常に有効です。
今回は、曇り空が続いていたので、その有効性を正に実感しました。
自動的に電力供給が継続しており、何も慌てることが無かったのが何よりです。
はじめて使用する先生達にも、コンセントの位置を指示するだけで利用してもらえたのですから。

⑤いざ!パワーの導入前後で何か変化がありましたでしょうか。

 防災・減災体制の強化が図られ、日常的に、安心・安全の確保に自信が持てるようになりました。正に、「いざという時の心配」から解放された気分を味わっています。
常時使用可能な無停電電源のお陰で、毎日、照明とパソコン用電力を本装置からとって利用しています。
つまり、日常の中で何気なく装置の不具合が察知できるようになっており、「いざという時の不稼働」に危険が全くないことも大きな利点なのです。
「防災・減災体制が確実にいつでも取れる」ことの安心は、大変得難い貴重なものですね。ただのエンジン発電機や蓄電装置を準備しただけではもたらされることのない感覚と言えます。

 

info120525_1白岩善博教授 info120525_2生命環境系長室(いざ!パワー設置)
奥の照明はいざ!パワーからDC48Vを供給